こんにちは、半導体関係の技術職をやっています、かずです。
本記事では分野毎の代表的半導体企業について、投資目線も交えてまとめました。
\この記事を読んで欲しい方/
- 「半導体」とは何なのか気になる方
- IT化が進む世の中に理解を深め、ついていきたい方
- 半導体関連企業に投資している/しようとしている方
最近のトピックスとして、2021年に入り『車載半導体が不足のため車メーカーが各社減産!!』
といったニュースが流れましたが、どういうこと?と思った方も多かったのではないでしょうか。
半導体って、機械の中の何かでしょ?
そうだけど…
もはや社会インフラである半導体について知っておきましょう!
半導体には色々な種類があり、各メーカーはそれぞれ得意分野で戦っているのです。
それでは紹介していきます。
半導体とは
半導体(Semiconductor,セミコンダクター)とは、条件によって電気を通したり通さなかったりするシリコン[Si]のような物質を指します。しかし、一般的には集積回路(IC)・デバイスを意味することが多いです。
半導体の特性を生かし、電流の増幅やスイッチング等の役割を持たせることで色々な製品に応用ができます。
教科書的なことはなかなか頭に入りにくいので…
『シリコンウエハを加工してチップに切り分け、IC基板(半導体集積回路)に載せる!』といった程度で理解しておきましょう。
様々な半導体の種類
半導体と一口に言っても、その用途によって異なる働きをします。
下表は大まかな分類です。
種類 | 用途 | キーワード |
---|---|---|
メモリ | PC、スマホ、記憶媒体 | データ・処理 |
パワーデバイス | 家電、ロボット、車、自然エネルギー | 省エネ |
センサー | カメラ・センサー(AI家電、ロボット、車) | IOT・自動化 |
高周波・光デバイス | 通信基地局、光センサー、LED | 5G |
どの用途も現代では不可欠なものですよね。
1940年~1950年頃に半導体素子のダイオードやトランジスタが発明されてから研究は急速に進み、21世紀にはまさに「ハイテク」を担う産業へと発展しました。
代表的な企業
IT化が進む世の中、更にコロナ禍においてIT・半導体業界が注目され
半導体企業への投資も活発になっています。
「どういう業界なの?」
「あの業績が伸びている企業は、何を作っているの?」
ニュースではなかなか得られない情報ですので、簡単に押さえていきましょう。
ウエハメーカー
(日)信越化学工業、SUMCO
(台)グローバルウェーハズ
(独)シルトロニック
(韓)SKシルトロン
まず、このシリコンウエハが無いと始まりません。
ウエハ状態から数百工程におよぶ加工プロセスを経て、所望の性能を持ったチップを作っていきます。
近年ではSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)といった化合物半導体の市場が伸びています。
主にSiCはパワーデバイス、GaNは高周波デバイスでSiを超える良い特性が得られるため、ウエハメーカーとデバイスメーカーはコスト等の問題を改善すべく動いています。
材料メーカー(ウエハ以外)
(日)住友化学、富士フイルム、ダイキン、日立化成
三菱ガス化学、JSR、東京応化工業、昭和電工
(米)デュポン等
直接、半導体メーカーとしては別になりますが、製造プロセスには様々な材料が必要です。
薬液やガス、樹脂や金属材料など多種に渡り、その市場も大きいです。そして、材料では日本企業が高いシェアを勝ち取っています。
ウエハ上に回路を形成するためのフォトレジストでは80%以上の世界シェアを誇ります。
2019年の日韓貿易戦争では、半導体製造に欠かせない日本製のフッ化水素が大きな注目を浴びました。
装置メーカー
【プロセス装置】
(日)東京エレクトロン、SCREEN HD、キャノン、日立ハイテク、ディスコ
(米)AMAT(アプライドマテリアルズ)、ラムリサーチ
(蘭)ASML
【テスター】
(日)東京エレクトロン、東京精密、ダイトロン
(米)KLAテンコール、テラダイン
ウエハには洗浄/リソグラフィー(現像)/エッチング(加工)/イオン注入/成膜などの非常に細かい作り込みを重ねていきます。
それぞれのプロセスに装置が必要で、1台の価格は数千万円〜数億円です…。製造ラインにはこれが何台ずつも並ぶのでデバイスメーカーの投資額も相当なものになります。
東京エレクトロン(TEL)は日経平均採用銘柄の一つで、かつトップ3に入るほどウエイトの大きい企業です。TVCMも出していますがまだ一般知名度は低いため、投資情報で目にされた方は「これが半導体の企業か!買おう!」「全然知らない…」など様々に思われたかもしれません。
デバイスメーカー
一概にカテゴライズ出来ない部分もありますが、大きく以下のような分類でご紹介します。
メモリ・CPU
(日)キオクシア[旧:東芝メモリ]
(韓)サムスン、SKハイニックス
(米)マイクロン、インテル、AMD、NVIDIA、AMD
メモリとは、DRAMやNANDフラッシュメモリに代表される記憶媒体です。
メモリには、残念ながら数ある日本企業が負けていった悲しい歴史があります。
広島には米・マイクロンメモリジャパンの工場がありますが、かつてはエルピーダメモリ(NEC日立メモリ)の拠点でしたが経営破綻ののち買収されたのです。
要因は韓国との競争に勝てなかったためであり、日本企業には苦い教訓として刻まれています。
CPUのシェアはインテルが圧倒的でしたが、近年AMDが追い上げています。
NVIDIAやAMDはグラフィックボードのチップメーカーです。
イメージセンサー
(日)ソニー
(韓)サムスン
(米)オムニビジョン、オン・セミコンダクター
デジタルカメラやスマートフォンに搭載されているのがCCDやCMOSといったイメージセンサーです。光からの情報(R,G,B)を電気信号として取り出すことができます。
また、センサーは自動運転やロボットに欠かせません。
スマホは複眼化し、車1台に搭載されるイメージセンサーの個数も増えています。
パワーデバイス
(日)三菱電機、富士電機
(独)インフィニオン
(米)オン・セミコンダクター
(スイス)STマイクロエレクトロニクス
パワーデバイスは、電圧や周波数を変えたり直流/交流を変換することができる半導体です。
家電・産業用ロボット・自動車・電鉄・再生可能エネルギーなど電力を扱う機器に使用されます。
例えば家庭ではエアコン/冷蔵庫/洗濯機/扇風機/掃除機…多くの家電にパワーデバイスが使われていて、スムーズなモーター制御を担っています。
要するに、「スイッチオン!ガッシャンゴットン!」では効率が悪くエネルギーをロスしてしまうのです。
車(HV・EV)、そして電鉄ではこのロスをより低くすることが課題で、前述のSiCデバイス化が進んでいます。
まとめ
今や半導体は生活の中で無くてはならない存在になっています。
紹介した以外にもたくさんの企業が半導体と関わっています。
その需要はコロナ禍においてより一層大きくなりました。
今後更なる開発競争により発展を遂げて我々の生活を支えていくでしょう。
日本企業にも引き続きワクワクするような技術開発を進めて欲しいですね。
経済・投資においても半導体/ハイテク企業の存在感は大きく、成長を牽引することが期待できます。
自身の資産も成長の波に乗せてはいかがでしょうか。
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